XLM(ステラルーメン)とは?

ステラルーメンとは?
XLM(ステラルーメン)とは、Stellar(ステラ)ネットワークで使用される仮想通貨(暗号資産)であり、国際送金の高速化と低コスト化を目指した分散型ブロックチェーンプラットフォームです。Stellarは2014年にジェド・マケーレブ(Mt.GoxやRippleの共同創設者)によって設立されました。
XLMはステラネットワーク内での取引手数料の支払いや口座の有効化に使用され、送金・決済に特化した設計が特徴です。
ステラルーメンは、非営利団体のStellar Development Foundation(SDF)によって運営されています。SDFは中央集権的な運営方針をとりつつも、ガバナンスの透明性を重視しており、資金の配分状況や技術開発の進捗、提携企業との連携内容などを公式に公開しています。
また、SDFはIBMやMoneyGramなど大手企業との連携を進めており、信頼性の高い国際送金ネットワークとしての地位を確立しています。
以下に、ステラルーメン(XLM)の基本情報を一覧表でまとめました。
名前 | Stellar Lumens(ステラ・ルーメン) |
---|---|
単位 | XLM |
最高発行枚数 | 50,001,806,812XLM(上限設定済み) |
使用開始日 | 2014/7/31 |
作成者 | Jed McCaleb(ジェド・マケーレブ)とStellar Development Foundation |
コンセンサスアルゴリズム | SCP(Stellar Consensus Protocol) |
主な用途 | 国際送金、クロスボーダー決済、低コストのトランザクション |
スマートコントラクト対応 | 簡易スマートコントラクトに対応(高度な機能には制限あり) |
チェーンの名称 | Stellar Network |
公式サイト | https://stellar.org |
ステラルーメンの特徴
Stellarは、世界中の銀行、送金業者、デジタル通貨とユーザーをシームレスに接続することを目指したオープンソースのブロックチェーンネットワークです。送金や資産交換を低コストかつ高速で行えるよう設計されており、特にクロスボーダー決済(国際送金)に強みがあります。
Stellarネットワークの機能はさまざまですが、ここでは主に3つの側面に注目して紹介します。まずは、ステラルーメンの根幹を支える合意形成の仕組みです。
コンセンサスアルゴリズム:Stellar Consensus Protocol(SCP)
Stellarは、ビットコインやイーサリアムとは異なり、PoW(Proof of Work)やPoS(Proof of Stake)ではなく、独自のStellar Consensus Protocol(SCP)という合意形成アルゴリズムを使用しています。
このSCPにより、ネットワーク上のノードは信用するノード(クォーラム)を選択し、合意を得る方式でブロックを生成します。そのため、トランザクションの処理速度が速く、エネルギー効率も良いのが特徴です。
トークン活用例
ステラルーメンは単なる通貨ではなく、国際送金の中継通貨としても活用されます。以下はその基本的な流れです。
- 送金者が自国通貨をXLMに変換
- Stellarネットワークを通じて数秒で送信
- 受取人が現地通貨に変換して受け取り
これにより、銀行を介さずにわずか数秒、かつ手数料数円以下で国際送金が可能になります。
アセット発行・分散型取引所
Stellarでは、XLM以外のトークン(アセット)も発行可能であり、ステーブルコインや法定通貨の代替トークンなどもネットワーク上でやり取りできます。さらに、DEX(分散型取引所)機能が組み込まれており、トークン間の交換も簡単に行えます。
以下は、Stellar DEXを使ってUSDステーブルコインからBTCトークンに交換する一連の流れです。
① USDを預ける
ユーザーはUSDに連動したステーブルコイン(例:USDC)をStellar上で保有します。
② DEXで注文
Stellar内蔵のDEXで、USDC → BTCトークンの交換注文を出します。
③ 自動で交換完了
ネットワーク上のオーダーブックによって注文がマッチし、BTCトークンを即時受け取ります。
このように、Stellarでは中央管理者なしでトークンの交換ができるため、効率的かつ低コストな取引が可能です。
他通貨との比較
この通貨の特徴をより深く理解するために、異なる通貨である ステラルーメンXLM)、リップル(XRP)、ゼム(XEM) と比較してみましょう。それぞれの将来性や価格変動の傾向、初心者への適性を5段階で評価しています。興味のある通貨があれば、各リンクから詳しい辞書ページもあわせてご覧ください。
※この比較表は、2025年時点での情報や市場状況をもとに、初心者の方にもわかりやすく評価したものです。実際の投資判断は、ご自身の目的やリスク許容度に応じて行ってください。
ステラルーメンの利用シーン
ステラルーメン(XLM)は、個人の送金・保管用途から企業による国際決済やトークン発行まで、さまざまなシーンで活用されています。
ここでは、「個人」と「企業・プロジェクト」の2つの観点から、その代表的な利用方法をご紹介します。
個人での利用シーン
個人ユーザーにとって、XLMは手軽に使える送金手段であり、手数料の安さと送金速度の速さが魅力です。
また、少額の取引でも手数料がほとんどかからないため、日常的な利用にも適しています。
ここでは、代表的な活用例を紹介します。
XLMを使った送金・交換
たとえばXLMを用いて、海外の家族に送金したり、他の仮想通貨と素早く交換したりできます。
手数料が低く、処理速度が速いため、日常的な仮想通貨のやり取りに適しています。
一部地域でのXLM決済
海外の一部サービスでは、XLMを直接使った決済が導入されています。
たとえば、チャリティー団体への寄付、オンラインゲーム内でのアイテム購入、またはデジタル商品の決済手段としてXLMが選ばれることがあります。
日本ではまだ普及段階ですが、将来的にXLMを活用したサービスが増える可能性もあります。
企業やプロジェクトでの利用シーン
ステラルーメンは、個人利用だけでなく、企業や団体のニーズにも対応しています。
特に、国際送金やトークンの発行といった分野での導入が進んでいます。
以下では、そうした法人レベルでの活用例を取り上げます。
国際送金サービスでの導入事例
Stellarネットワークは、国際送金の効率化を目的とする企業に採用されています。
たとえば、米リップル社と競合するような形で、MoneyGramなどがStellarを利用した送金サービスを提供しています。
トークン発行・ステーブルコインとの連携
Stellarでは、企業や団体が独自トークンを簡単に発行できる機能も提供されています。
実際にUSDC(USD Coin)などのステーブルコインもStellarネットワーク上で流通しており、
決済や資金移動の手段として活用されています。
ステラルーメンの管理方法と対応ウォレット
ステラルーメン(XLM)を安全に保管・管理するには、信頼性の高いウォレットを選ぶことが重要です。
ウェブやアプリで使えるホットウォレットから、高いセキュリティを誇るハードウェアウォレットまで、さまざまな選択肢があります。
XLMに対応した主なウォレット
以下は、XLMに対応している代表的なウォレットと、それぞれの特徴です。
ウォレット名 | 種類 | 主な特徴 |
---|---|---|
Solar Wallet | モバイル/ウェブ | ステラ公式対応。UIがシンプルで使いやすい |
Lobstr | モバイル/ウェブ | XLM専用ウォレット。日本語にも一部対応 |
Ledger | ハードウェア | 高セキュリティ。SolarやLobstrと連携して使用可能 |
利用目的に応じたウォレットの利点
ウォレットはそれぞれ特性があり、利用目的に合わせて選ぶことで、より安全で快適にXLMを管理できます。
ここでは、ウォレットごとの主な利点を紹介します。
- Solar Wallet:ステーキング機能や、直感的な操作感が魅力。初心者でも扱いやすい
- Lobstr:モバイル中心に使いたい人に最適。日本語表示やStellar Decentralized Exchange(SDEX)にも対応
- Ledger:資産を長期保有する人におすすめ。ハードウェアによる高いセキュリティが特徴
ウォレット利用時の注意点
ウォレットの選定だけでなく、実際に使用する際の管理方法も重要です。以下のポイントに注意して、XLMを安全に扱いましょう。
- 秘密鍵やリカバリーフレーズの保管:紙などオフラインで安全な場所に保管し、他人に絶対に教えないようにしましょう。
- ウォレットのバックアップ:スマホやPCの故障・紛失に備えて、必ずバックアップを取っておきましょう。
- ネットワーク手数料(手数料負担):ステラネットワークではわずかな手数料(例:0.00001XLM)を支払う必要がありますが、スパム対策のための仕組みとして導入されています。
ステラルーメンのメリット
XLM(ステラルーメン)の主なメリットについて、5つの観点から紹介します。
- 国際送金が高速かつ低コスト
- エネルギー効率が高い
- アセット発行・取引の柔軟性
- 大手企業との提携実績
- 金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)
以下で、各メリットの詳細を1つずつ解説していきます。
国際送金が高速かつ低コスト
XLMは、Stellarネットワークを活用した国際送金において特に優れた性能を発揮します。わずか数秒での送金が可能で、手数料は1円未満と非常に低コストです。従来の銀行送金では数千円の手数料と数日間の処理時間がかかることもありますが、Stellarを利用することでこうした課題が大幅に改善されます。
こうした特性から、送金コストを抑えたい個人利用者や、新興国との国際送金ニーズがある企業にも注目されています。
エネルギー効率が高い
Stellarは、独自のコンセンサスアルゴリズム「SCP(Stellar Consensus Protocol)」を採用しており、ビットコインやイーサリアムのようなマイニングが不要です。これにより、電力消費を極めて小さく抑えられるという特徴があります。
この高いエネルギー効率は、単にコスト削減につながるだけでなく、環境への負荷を軽減し、持続可能なブロックチェーン運用を実現しています。カーボンニュートラルやSDGsへの関心が高まる中、環境配慮型の選択肢として注目を集めています。
アセット発行・取引の柔軟性
Stellarネットワークでは、誰でも独自のアセット(トークン)を簡単に発行でき、世界中のユーザーとシームレスに交換・取引が可能です。これは、デジタル通貨や地域通貨、企業ポイントなど、さまざまなユースケースに応用できます。
発行されたアセットは、分散型取引所(DEX)を通じて即時に流通させることができ、取引の透明性も担保されています。こうした柔軟性は、Web3やDeFi(分散型金融)のエコシステムにおいても高く評価されており、個人・企業問わず新しい金融サービスの構築に活用されています。
大手企業との提携実績
Stellarは、IBMやMoneyGramなどの大手企業と提携してきた実績があります。特にIBMとの提携では、国際送金ネットワーク「World Wire」の基盤としてStellarブロックチェーンが活用され、商業レベルでの実用性が証明されました。
また、米大手送金サービスのMoneyGramもStellarと連携し、暗号資産と法定通貨をつなぐユースケースを展開。こうしたパートナーシップは、Stellarの技術的信頼性や将来性を示す重要なポイントとなっています。
金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)
Stellarは、銀行口座を持たない人々にも金融サービスへのアクセスを提供するという金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)を理念の中心に据えています。
発展途上国を含む多くの地域で、モバイル端末さえあれば少額送金や資産管理が可能な仕組みを構築できるのが大きな特徴です。
また、Stellar Development Foundation(SDF)は、現地金融機関やNGOと連携して低所得層や疎外された地域社会への支援プロジェクトも展開しており、技術と社会的ミッションが密接に結びついたブロックチェーンだと言えます。
ステラルーメンの注意点・リスク
XLM(ステラルーメン)の主な注意点・リスクについて、4つの観点から紹介します。
- 価格変動リスク
- 競合プロジェクトの存在
- 法規制の影響
- フィッシングや詐欺に注意
以下で、各注意点・リスクの詳細を1つずつ解説していきます。
価格変動リスク
XLMは仮想通貨市場において、他のトークンと同様に価格変動が激しい資産です。短期間で大きく値動きすることがあり、投資対象としてはリスクを伴います。
競合プロジェクトの存在
Ripple(XRP)など、同様の用途を持つ競合プロジェクトが存在します。送金・決済領域のシェア争いが今後の成長に影響を与える可能性があります。
法規制の影響
仮想通貨全般に言えることですが、国や地域による規制強化により利用制限や価格変動が発生するリスクがあります。特に国際送金に関わるため、KYC(本人確認)など法規制との連携が重要です。
フィッシングや詐欺に注意
偽のウォレットアプリやフィッシングサイトによって、XLMを不正に盗まれるリスクがあります。公式ウォレットの利用や二段階認証の導入が推奨されます。
現在の状況と今後の展望
2025年現在、ステラネットワークは新興国市場を中心に成長を続けており、送金業者やフィンテック企業との提携事例も増加しています。
現在の動向
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)実験のプラットフォーム候補として注目
- XLMは国際的な送金ソリューションとしてのポジションを強化
- USDCの発行・送金にXLMネットワークが活用される事例も増加
今後の展望
- アジア・アフリカ地域でのユースケース拡大
- DeFiとの統合による新たな金融商品開発
- 分散型ID(DID)との連携による本人確認不要の送金システム
- モバイルウォレット普及による利用者の拡大
今後もXLMは、ブロックチェーン技術を活用した効率的で包括的な金融インフラの実現に向けて、中心的な役割を果たすことが期待されています。
購入できる取引所
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